In 2014, Roundup MAGAZINE
◆◇… Magazine surroundings in 2014 …◇◆
◇ Magazine surroundings in 2014
◆ 購入者が雑誌のスタイルを選べる時代へ
◆ 2014年の主な雑誌の創刊情報
◆ 2014年主なリニューアル誌
◆ 2014年の主な雑誌の休刊情報
◇ Magazine surroundings in 2014
今年の漢字に『税』が選ばれた2014年。
5%から8%への消費税アップは雑誌にも少なからず影響を与え、補うべく雑誌でも新たな試みがみられました。学研ホールディングス、講談社、光文社、集英社、主婦と生活社、小学館、世界文化社、ダイヤモンド社、文藝春秋の9社が会社の枠を超え、9誌の増刊号(超刊号)を4月12日に同時発売した“マガフェス‘14”もそのひとつ。「Mart」特別編集の体にいい雑誌「Sprout(スプラウト)」や「小学一年生」増刊の親子で楽しむ学習雑誌「おもタメ」、「週刊文春」の連載から厳選の「おいしいものは日本中から取り寄せる」等、日頃出合うことのない媒体に触れるいい機会になる試みでした。 **“マガフェス‘14”で発売された9誌はこちらから…
百貨店での店頭イベントで目立ったのは、創刊25周年の「SPUR」が3月に伊勢丹新宿店とコラボした“ISETAN LOVE MODE ツアー”。『買い物は旅である』をテーマに、コスメ、ファッション、フード、アート等から好きなテーマを選び、店内のお薦めスポットを「SPUR」スタッフがアテンドで巡るという。ツアーに参加しなくても楽しめるスペシャルコンテンツも用意され、お買いものを楽しくするという素敵なイベントでした。
海外のメディアでも取り上げられたのは、「Precious」創刊10周年記念イベントでのグッチの空中ファッションショー。銀座ソニービルの壁面を宙づりの状態でモデルが闊歩するという前代未聞のショーは話題に。
◆ 購入者が雑誌のスタイルを選べる時代へ
2013年12月に文教堂書店が始めた“空飛ぶ本棚”をはじめとする雑誌購入によるデジタル版を無料進呈するサービスは、対応雑誌や書店を拡大中。デジタル版の使い勝手等、進化への期待はまだ高く、付加価値的存在からは脱し切れてはいないものの、いつでもどこでも見ることができ、文字サイズを好きに変更できる便利さは意外にも上の年代に好評のようです。
また本誌を小さくしたリサイズ版も人気拡大中。文字がそのまま縮小されるための見えにくさ等課題もあるものの、持ち運びに便利なバッグinサイズは魅力です。
他にも「with」「non-no」等では付録の有無を選べるスタイルにもトライアル、「MORE」12月号では人気グループ嵐の表紙を2パターンで発売、2冊買いも出て話題に。
掲載スタイル、大きさ、付録の有無、そして表紙まで、購入する側が雑誌のスタイルを選べる時代になってきています。
◆2014年の主な雑誌の創刊情報
媒体名 | 出版社 | 2014年 創刊日 | コメント |
MyAge(マイエイジ) | 集英社 | 3月1日・年4回刊(1・3・6・10月) | “美&元気をあきらめない!”をキャッチフレーズとした40代後半から50代の大人の女性に向けた美の情報誌 毎日更新のオンラインメディアとして“OurAge” http://ourage.jp/も同時スタート |
大人のおしゃれ手帖 | 宝島社 | 3月7日・月刊 | ムックから進化した、モノの価値を知る歳を重ねた大人のための日々の暮らしをより豊かにするライフスタイル誌 |
Gina(ジーナ) | ぶんか社 | 3月7日・月刊 | 2011年に発行、新創刊。28歳をコアターゲットとしたファッション誌 |
ナチュリラ | 主婦と生活社 | 3月20日・季刊(3・6・9・12月) | ムックから進化、ナチュラル&リラックスをキーワードに、大人の普段着を提案するライフスタイル実用誌 |
la farfa(ラ・ファーファ) | ぶんか社 | 3月20日・隔月刊 | ぽっちゃり女子のためのオシャレ応援ファション誌 |
otona MUSE(オトナミューズ) | 宝島社 | 3月26日・月刊 | ムックから進化した、35歳以上のすべての女性達に向けてのファッション・ライフ提案誌 |
CYAN(シアン) | カエルム | 4月30日・季刊(1・4・7・10月) | 美容に関わる今人気のモノ・コト・ヒトをバックグラウンドやルーツと共に紹介する美容専門情報誌 |
CHANTO(チャント) | 主婦と生活社 | 6月7日・月刊 | 働く女性を応援する生活情報誌 「すてきな奥さん」からリニューアル創刊 |
MADURO(マデュロ) | セブン&アイ出版 | 9月24日・月刊 (準備号3月22日) |
バブル経験のある50~60歳代のやんちゃジジイ向けシニアライフスタイル誌 |
Lula JAPAN(ルラ ジャパン) | セレック 発売元:講談社 |
10月28日・年2回刊(4・10月) | ロンドン発のファッションマガジン「ルラ(Lula)」の日本版。UKリライト3割、日本では25歳アップの女性を想定 |
◇ ぽっちゃり女の子応援雑誌の登場
カバーガールに渡辺直美さんを起用した「la farfa(ラ・ファーファ)」は、日本初のぽっちゃり女子応援マガジンとして話題に。巷でもおしゃれを楽しむぽっちゃり女子が目立つようになったような気がしませんか。
◇ こだわり雑誌の適切な発行頻度
「MyAge(マイエイジ)」「CYAN(シアン)」「ナチュリラ」等、ひとつのテーマに絞ったこだわり雑誌が増え、隔月・季刊と発行間隔がまちまちなものが増加傾向。必要な情報の適切な発行頻度こそが今風なのかもしれません。
海外提携誌ながら年2回刊の「Lula JAPAN(ルラ ジャパン)」もその典型。春夏・秋冬の情報をUKでのエイジレスなガーリーテイストはそのままに、日本オリジナル視点を7割ほど加え展開。創刊号では、女優のステイシー・マーティンさんを起用した通常版の他、代官山蔦屋をはじめとした限定店舗で2種類の特別版カバーを発売。さらに創刊記念コラボアイテムをコンセプトショップAnd Aと共に展開。これからもさまざまなコラボを展開していくとのことで楽しみです。
◇ 急増する注目のシニア世代を元気にする雑誌
今後の増加と共に注目されるシニア世代に向けては、「レオン」元編集長岸田一郎氏による “やんちゃジジイ”たちのための「MADURO(マデュロ)」や、毎日更新のオンラインメディア“OurAge”と季刊誌で展開する「MyAge」、40歳前後の女性を意識した「otona MUSE(オトナミューズ)」と「大人のおしゃれ手帖」等、バブルを経験してきた大人をターゲットとした雑誌が数多く発売に。
◆2014年主なリニューアル誌
媒体名 | 出版社 | 2014年 リニューアル日 | コメント |
CREA | 文藝春秋 | 2月7日・月刊 | ファッションとビューティを強化、ビジュアルにこだわり知的に遊ぶ大人の女性誌に |
Fine | 日之出出版 | 3月28日・月刊 **1→30日発売に |
1978年の創刊から36年めを迎え、大人の男性のためのライフスタイル誌に |
it LOVE(イットラブ) | 講談社 | 4月12日・春秋(年2回) | 2012年「トウキョウヴィ ヴィ」から、新30歳の都市型ライフスタイルファッション誌に |
VOGUE girl(ヴォーグ・ガール) | コンデナスト・ジャパン | 8月23日・年2回刊(3・8月) | 2011年創刊から進化、デジタル世代のトレンドエリートガールに送る新メディアを提案。 |
◇ マス媒体からコア媒体へリニューアル
“海、サーフ”というアイデンティティはそのままに、大人の海オトコが夢中になれるライフスタイル誌へ36年めの大幅リニューアルを行った「Fine」やリアルな生活の充実を目指すSNS世代の新30代のための東京発のファッション&ライフスタイル誌となった「it LOVE」等、雑誌もマス媒体からコア媒体に意識が変化、よりこだわりを強めた雑誌が目立ちます。
◇ デジタル世代へのアプローチ
雑誌とデジタルのコンビネーション、加えてコミュニティづくりは多くの媒体で試みられ、未だ多くの課題が残されていますが、リニューアル版「VOGUE girl」では、新たに雑誌の刊行頻度をタイムリーに絞り込む試みがスタート。
“デジタル世代のトレンドエリートガールに送る新メディア”を謳い、メディアそのものをマガジン、デジタル、メンバーシップで構成、それぞれの役割を明確に分担しています。
①年2回発行するマガジンは最先端のファッションからカルチャーまでを網羅する『ITガールのトレンドバイブル』。②2014年8月18日にリニューアルした完全スマホ対応のウェブサイト“VOGUEGIRL.jp”は、オリジナルNEWSを毎日更新。③メンバーになることでデジタルコンテンツの特別配信やメールマガジン、特別イベント、パーティなどに招待されるコミュニティ。…これから増えていくデジタル世代に向けて新たなアプローチが始まっています。「VOGUE girl」の編集長には、エル・オンラインの元編集長の宮坂淑子さん。ハースト婦人画報社からコンデナスト・ジャパンへの移籍による編集長就任でも話題になりました。
◆2014年の主な雑誌の休刊情報
媒体名 | 出版社 | 2014年 休刊月 | コメント |
JILLE(ジル) | 双葉社 | 2月 | リアルカジュアルファッション誌 |
Lips(リップス) | マガジンハウス | 3月 | マガジンハウス創業者生誕100年記念事業での社内公募により2011年3月創刊。30代カジュアルファッション誌 |
Happie nuts(ハッピーナッツ) | インフォレスト | 3月 | 前身は「Happie」、卒業世代に向け2004年11月にスタートした黒肌系ギャル誌 |
すてきな奥さん | 主婦と生活社 | 4月 | 「CHANTO」に生まれ変わり |
egg(エッグ) | 大洋図書 | 5月 | 渋谷ギャル系ストリートファッション誌 |
小悪魔ageha | インフォレスト | 4月 | 「Happie nuts」の増刊からスタートした夜系ギャルファッション誌 |
style FIZZ(スタイルフィズ) | KKベストセラーズ | 7月 | 海外セレブ、モデル&ブロガーをお手本に、シンプル&リラックスなカジュアルスタイルを提案する30代ファッション誌 |
BLENDA(ブレンダ) | 角川春樹事務所 | 8月 | 「Popteen」のお姉さんマガジンとして増刊から2003年スタート |
HUgE(ヒュージ) | 講談社 | 12月 | Based on Good Design, Good Qualityをコンセプトとした大人のメンズ誌 |
aene(アイーネ) | 学研 | 12月 | 5月28日におしゃれママたちのモノ |
◇ 相次いだギャル系お姉さん版のファッション誌の休刊
2014年は…19年と9カ月の歴史を持ちギャル文化を牽引してきた「egg」の休刊情報を皮切りに、「Happie nuts」「小悪魔ageha」「BLENDA」とギャル系お姉さん版のファッション誌の休刊が相次ぎました。
カルチャーのひとつとして存在感を増していたギャル文化。20歳を超えても卒業しないギャルのために、お姉さん版として歓迎され、テレビ等でも取り上げられることにより、一時は販売部数30万部に達していた「小悪魔ageha」等、相次ぐギャル系お姉さん版のファッション誌の休刊からギャル文化衰退の理由として推測されたのは…、絶対的なカリスマの不在、SNSの浸透により続く低年齢層ギャルの減少等。インフォレストの倒産と相まって話題に。
※※年末に出版の譲渡問題で注目されたのは2013年4月に創刊された「DRESS」。出版は、幻冬舎グループがベンチャーとして2012年9月に設立した株式会社gift(ギフト)。美魔女ブームを仕掛けた山本由樹氏を編集長に40代独身女性を応援すべくスタートしましたが…思わぬ苦戦。幻冬舎は12月に子会社giftの株式81.5%を5090万円で決済代行業や旅行事業などを手がけるパスに譲渡したものの、売却後もサポートしていくとのこと。
今後も増えると思われる40代独身女性…応援の仕方が課題のようです。
==2015.1.20==
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